3/11東北関東大震災 れぽーと
地形地質からの提言
復 旧 復 興 に 備 え て
U山地災害
地震による山地災害には、大きく地すべり、崩壊、土石流とありますが、これらはいわゆる一過性のものか新たな災害に発展するのか、継続的変化し続けるのかが重要です。
また、これらの復旧には、単なる除去から抑止すべきものまで様々なタイプがあるので、十分に留意すべきです。例えば、単なる土砂崩壊と判断して、末端の崩壊土砂を排除したところが、背後の山が一緒についてきて新たな崩壊につながったということも少なくありません。また、沢で渓岸の崩壊を見落としたために、その後の豪雨時に土石流の土砂供給につながったということもあります。いずれも背後や隣接区域を十分に観察しておくことが求められます。
今回の災害でも斜面が剥離するように崩壊したものが多かったように思われます。
震災前から、明らかな兆候があったか、潜在的に要因を有していたものが地震動によって顕在化したというものが多かったようです。
大まかに、災害時の観察に関しての留意事項を示しておきたいと思います。
まず、崩壊の現場では規模を正確に把握することが重要です。崩壊の幅や奥行き、形状を把握することで地すべり性のものか、崩壊性のものかを判定できますし、その崩壊やすべりの深度を予測することができます。もちろん、正確にはボーリングや簡易貫入などによる調査は必要ですが、緊急時の対策費等の積算にはオーダーで把握できます。また、緊急的に見て除去が可能なのか、除去したあとの手当てなどについても即断できる現場での要素は、かなりの精度でつかめます。
土石流については、大きく渓岸が崩壊して天然ダム化している場合には、下流へ警告することが必要になります。災害時に早急に除去することはできませんので、下流にその危険度を知らせること、避難の方法などの指示資料を提供する必要あります。
また、土砂が渓流内に滞留、貯留していなくても渓岸の斜面の安定度を判定する必要があります。地震動で大きくゆすられて亀裂などが発生しているときは、予想される規模や到達距離などを算定しておくことは欠かけません。後日の余震や豪雨時に不安定化してくることが予想されるからです。なお、渓岸を見る場合には、樹木の状況を観察することも参考になると思います。例えば、倒木や傾倒していることがあれば現地で確認して地表の安定度を知る資料となります。
地すべりや土石流については、今後どのような挙動するかということは、ある程度予測できます。そして、場合によっては観測機器を設置して継続観測することやセンサーで検知するという方法も必要になるし、影響範囲を想定して立入り禁止区域の設定も必要になることもあります。
災害時には、すぐに対策が取れることは、それほど多くはないので、地域との協力をもらいながら二次災害を発生させない手立てはぜひとも必要であります。行政だけに頼ることなく、共助と自助をフルに機能させていくことが不可欠です。
(S.M.)